①②③④⑤⑦⑥⑪⑫⑧⑨⑩11小さなディティールの積み重ねが、大きな差を生む。RP9の全ての箇所には、理由と思想がある。カーボンバイクの可能性を追求する、ANCHORのレーシングバイク開発拠点「カーボンラボ」。ここでの試作とテストにより世界と闘うためのトラックバイクが生み出された。世界最高峰の舞台で結果を出したトラックバイクの次に、ANCHORが目指したのは最速のロードバイク製作だ。日本のトップ選手たちを輩出してきたチームを持つANCHORとして、それは必然的な流れだった。しかしコースや気候によって路面状況の異なるロードレースは、クローズドな環境で行われるトラックレースに比べて解析すべき要素とそれに伴う変数が段違い。PROFORMATが導き出したトラックバイクの知見を生かしながらも、最速のロードバイクを生み出すというカーボンラボの新たな挑戦が始まった。最速のバイクを作るという目的は、トラックバイクのそれと変わらない。従って、シミュレーションを行い、それを試作に反映し、実際に計測するという開発のサイクルも同じプロセスだ。「ステージレースを一台で走る」という総合力を持たせるために、このプロセスは一切の妥協なく突き詰められた。CFDによる空力シミュレーションと、FEMによるフレームの最適な変形の追求。これを幾度も繰り返しながら、最適な空力性能とバイク変形の落とし所を探った。過去に蓄積された実走データがそれを可能にする。そこで提示された数字を満たすべく即時の試作が行われる。このスピード感は、プロトタイプの設計から製造を研究所内で完結できるカーボンラボならではの強みだ。必要な剛性を生み出すためのカーボンの積層やパーツの調整が行われ、計測テストに移行。風洞実験や実走での計測に加え、チームブリヂストンサイクリングの選手たちによるフィードバックも開発の要だ。数値は理想的なものであっても、ライダーのフィーリングと相入れないことは往々にして生じる。あくまで走るのはレーサーであり、「人」であることを理解する開発陣は、そのフィードバックを再び数値に落とし込み、新たな試作を行う。データ、ライダー、開発者。全てのプロセスを追求しレースロードバイクの最新形が生み出されたのだ。①シートポスト空力を探求したカムテール形状のエアロシートポストを新たに開発。②シートポストクランプ部臼型のシートクランプを新規設計。外側への張り出しを極力抑え空力性能を向上。③シートチューブポストの形状に合わせシートチューブのシェイプをより薄くし、空力向上を達成。④ドロップシートステー空力・剛性・快適性をバランスさせるためにドロップシートステーを採用。⑤チェーンステー適切な剛性の確保を目指した結果、チェーンステーの太さは左右非対称に。⑥スペーサー専用設計のスペーサーは割りが入っており、ポジション調整がより行いやすい仕様。⑦ステムケーブル内装ながら、ポジション調整時に油圧ホースの脱着不要の専用設計ステム。⑧ヘッドチューブトラックバイクの研究開発が導き出した空力・剛性を両立するヘッド周りの造形。⑨ヘッド下フレーム前面にあたるヘッド〜フォーク部の造形もトラックバイクの知見を活用。⑩フォークフレームと同様高性能軽量カーボンT1100を使用。フレームセットの軽量化に寄与。⑪ダウンチューブねじれ剛性を高めるため、空力とのバランスをとりながら幅広に設計。⑫ボトムブラケット大径化したチェーンステーを繋ぐためボリュームを持たせたBB部。カーボンラボだからこその迅速なR&Dトラックバイク開発が成熟させた、高度なR&D発端はカーボンラボのトラックバイク開発ディティールの積み重ねが勝利を生む
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